東北建設業協会連合会

フォーラム:がんばろう!東北

進もう!次の東北へ

開催概要

これまでのフォーラムテーマ「がんばろう!東北」が、「進もう!次の東北へ」と新しくなり7月10日(月)に山形市のホテルメトロポリタン山形で開催されました。

今回のフォーラムでは、東北経済連合会、東北建設業協会連合会、東北六県商工会議所連合会、東北・北海道中小企業団体中央会連絡協議会、東北六県・北海道商工会連合会連絡協議会の5団体で構成する「東北の社会資本整備を考える会」が主催。東北地域づくり協会が後援し、東北各県の建設・経済界などから約300名が参加しました。

政策研究大学院大学特別教授の家田仁氏の基調講演、また青森県弘前市の農業生産法人ANEKKOの村上美栄子代表と岩手県久慈市の久慈地下水族館「もぐらんぴあ」の宇部たみ子専務が意見を発表し、観光や物流の礎になる高規格道路の早期整備を訴えました。

最後に、復興関連予算の継続的確保、産学官民の連携による震災伝承と防災意識の高揚、建設業の担い手確保や生産性向上に資するデジタル化など7項目を国に要望する決議採択を行い、今後の東北の発展に向け、社会資本整備の議論を深めていくことを確認し合いました。

主催者代表挨拶

(一社)東北経済連合会会長 増子次郎氏

日本海沿岸東北自動車道のミッシングリンクや、日本海側と太平洋側を繋ぐ高規格道路の未整備により、東北域内の地域間格差が顕在化しています。7月27日に国土交通省や自民党に対し、国土強靭化に向けた継続的な予算の確保、高速道路の早期全線開通に向けた要望書の提出を予定しており、社会資本整備を東北・新潟における最重要課題として強く政府に要望していきます。

本フォーラムでは、今後の国土強靭化対策や社会資本の整備促進への取り組みなどについて、参加者の皆さまと議論していく場としたいと思っています。

ご来賓挨拶

ご来賓挨拶

山形県知事 吉村美栄子氏(竹内晃県土整備部技術統括監 代読)

昨年に県内陸部を縦断する東北中央自動車道が首都圏・仙台圏と直結し、三陸自動車道と同様にストック効果を発現しています。社会資本整備に関しては課題が山積みですが、東北地方の豊かで持続可能な成長・発展を実現するためには、計画的なインフラ整備が重要だと思っています。

国土交通省東北地方整備局長 山本巧氏

東北道と三陸道に加え、東北中央道と日本海沿岸道も整備が進んでいます。人口減少の中、より広い地域を結び利便性の高い地域としていきたい。

気候変動の影響による豪雨や、予測できない地震について山形でも対策が進んでいます。東北の安全・安心を守るという点でも、まだまだ必要なインフラがあります。安全確保のために何が必要となるか、本フォーラムをその準備をするきっかけにしたい。

意見発表

青森県 農業生産法人ANEKKO代表 村上美栄子氏

「近づく東北 来て、観て、食べて」

岩手県 久慈地下水族科学館「もぐらんぴあ」専務 宇部たみ子氏

「復興!その先へ『もぐらんぴあ』からの発信」

それぞれの震災経験などを基に意見を発表し、観光や物流の礎になる高規格道路の早期整備を訴えました。

基調講演

政策研究大学院大学 特別教授 家田仁氏

「東北地方から広域計画を考える」

東日本大震災の教訓から、社会全体としてインフラへの「危機感の共有」が必要です。その後に起きた広島市や静岡県熱海市での土砂災害は、部門ごとに細分化された多くのセクションが全体を見ずに単独で動いた結果、住んでいた多くの住民を巻き込む被害となってしまいました。今後の広域的防災計画の策定には、「国民の理解と協力」から「国民の参加と貢献」が重要になります。住民へ情報を開示し、分野を超えて地域の安全状況を見える化することが、第3次国土形成計画に基づき、各地で策定作業が進む広域地方計画に求められます。

交通利便性が上がれば、地域の個性を生かしながら生活圏を広げることができます。手遅れになる前に、6県が結束してインフラの早期整備を求めるべきです。

要望採択

  • ▷復興関連予算の継続的確保
  • ▷東北の社会資本整備に必要な予算の大幅な増額と、資材高騰や賃金水準上昇にも対応できる安定・継続した財源確保
  • ▷「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」の計画的な事業推進と、加速化対策後も通常予算とは別枠で当初予算での安定的・継続的な確保
  • ▷高規格道路のミッシングリンクを早期に解消し、港湾・空港施設などの整備とあわせて、日本海・太平洋二面活用の強化を図る
  • ▷産学官民が連携して震災伝承に取り組むとともに、防災意識の高揚を図る
  • ▷災害発生時の迅速かつ円滑な対応のため、現場に必要な人員や体制の維持・充実と必要となる資機材の確保
  • ▷建設業の担い手確保や生産性向上に資するデジタル化、働き方推進につながる支援を継続的に講じる

など、7項目を盛り込んだ決議を、参加者全員で採択しました。