東北公共工事品質確保・安全施工協議会
東北公共工事品質確保・安全施工協議会組織図
東北公共工事品質確保・安全施工協議会歴代会長
会長 |
期間 |
選出協会 |
奥田和男 |
H20. 2. 1 ~ H22. 6.14 |
宮城県 |
佐藤博俊 |
H22. 6.14 ~ H23. 7.28 |
宮城県 |
宇部貞宏 |
H23. 7.28 ~ H27. 7.22 |
岩手県 |
村岡淑郎 |
H27.10. 9 ~ R3. 5.17 |
秋田県 |
千葉嘉春 |
令和3年5月17日~令和5年6月27日 |
宮城県 |
向井田岳 |
令和5年6月27日~現在に至る |
岩手県 |
令和5年度役員
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県 名 |
氏 名 |
会社名 |
会長 |
岩手 |
向井田岳 |
刈屋建設(株)代表取締役社長 |
副会長 |
青森 |
大坂憲一 |
(株)大坂組代表取締役社長 |
副会長 |
宮城 |
千葉嘉春 |
熱海建設(株)代表取締役 |
副会長 |
秋田 |
北林一成 |
秋田土建(株)代表取締役社長 |
副会長 |
山形 |
澁谷忠昌 |
渋谷建設(株) 代表取締役会長 |
副会長 |
福島 |
長谷川浩一 |
堀江工業(株) 代表取締役社長 |
監事 |
宮城 |
武山德蔵 |
武山興業(株) 代表取締役会長 |
監事 |
岩手 |
海野 尚 |
菱和建設(株)代表取締役社長 |
令和5年度事業計画
令和4年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻により緊迫化する国際情勢は、我が国を含む世界の政治経済に深刻な影響を与えている他、新型コロナウイルス感染症からの社会経済活動の正常化に向けた動きによる世界的な物価高騰や内外の金利差による円安の進行等により、地域建設業においても資機材の価格高騰や品薄などの影響を大きく受けております。資材等の納期遅延は、工期への影響の他、仮引き渡し対応のための代替品調達による費用増も引き起こしており、今後更に幅広い建設資材に納期遅延やひっ迫が発生する恐れがあります。
また、気候変動の影響により近年頻発化・激甚化している豪雨や台風、豪雪等の災害が、昨年も全国各地で発生しました。東北においても、7月の宮城県を始め8月に入って東北全域で線状降水帯の発生や大雨特別警報や土砂災害警戒情報が発表されるなど前線による大雨により大きな被害を受けました。
今年は、関東大震災より100年、東日本大震災より12年という節目の年であります。本年2月には、トルコ南東部においてマグニチュード7.8の地震が発生し大きな被害が出ております。国内では、5月5日から最大震度6強を始め石川県能登半島を震源とする地震が断続的に発生し人命や貴重な財産が失われました。今後も南海トラフ地震や首都直下地震、日本海溝・千島海溝沿い等巨大地震への備えの必要性など、防災・減災、国土強靭化の重要性は益々増大しております。
加えて、地域建設業は、鳥インフルエンザや豚熱等、家畜伝染病に関する防疫対策協定に基づく対応など多様化しております。
一方、東北地方は、全国に比べて人口減や高齢化が顕著であり、建設業の担い手不足が深刻化しておりますが、コロナ禍においても、建設業は建設現場において、従来に増して感染防止対策を徹底し、エッセンシャルワーカーとして事業継続に努めなければなりません。
コロナ禍を契機に都市集積等の地方分散を実現するためには東北の活性化と産業振興、風評払しょくを着実に推し進めるとともに防災先進圏域として震災で得られた教訓を防災力強化に繋げていく必要があります。
地域建設業に求められている役割が多様化する中、将来にわたって危機管理産業としての大きな社会的責任を果たしていくためには、経営基盤を強化し、経営の安定化を図ることが最も重要であります。
このため、「防災・減災、国土強靭化のための5ヵ年加速化対策」の対策後も継続的・安定的に防災・減災、国土強靭化が推進されるよう、国土強靭化法の改正を含め、中長期的計画を策定し、予算を講ずることが求められます。
東北地方整備局直轄当初予算は、一般会計と復興予算等を合わせ 2,485億円が確保されました。ここ数年、微増ながら回復の兆しが見られます。しかし、当面の事業量が一定程度は確保されても、自然災害が頻発化・激甚化しており東北のインフラの水準を鑑みれば、当初予算・強靭化予算・補正予算等を合わせて4,000億程度の安定的な事業量を確保するのが重要です。安定的かつ持続的な事業量の確保が必要不可欠であり、安定的な公共事業予算の増額確保・国土強靭化のための中長期的な原資の特定財源化や東北6県の地域間格差・経済格差の是正等に向けた活動ついては、連合会と一体となって強力に要望活動を行うこととします。
近年、人口減や少子高齢化の傾向が顕著であり、建設業の担い手不足が深刻化しております。国土交通省においては、生産性向上へのIoT等活用による魅力ある建設現場を実現する「i-Construction」について、令和5年度までの生産性2割向上を目指して新技術・新工法・新材料の導入や利活用が進められるとともに、BIM/CIMの運用拡大に向けた全体ロードマップが示され、インフラのデジタル変革化が進められる中で、小規模なものを除くすべての工事においてBIM/CIM活用への転換を実現することが示されております。
東北地方整備局においては、令和5年1月に、新たに東北地方の公共工事発注機関(東北地方整備局長、東北6県土木所管部長、仙台市都市整備局長)と地域の守り手である東北6県の業界団体(東北建設業協会連合会、各県建設業協会長)で構成される「東北地方の公共工事品質確保のための連絡会議」を設置し、公共事業を担う受発注者が一堂に会して各種課題の解決に向けて議論・検討する公共事業の品質確保につながる会議を開催していくこととなりました。東北未来「働き方・人づくり改革プロジェクト」を進化させるため、DXの推進や、ICT活用工事推進「見える化」プロジェクトの取り組みを行うと共にICT活用工事を更に、普及・推進するため、自治体や中小企業での活用に向けた対策を進める等、女性・若手技術者の登用促進も一体的に進めております。
また、「働き方改革」と「生産性の向上」の推進、「担い手確保・育成」を柱に東北未来働き方・人づくり改革プロジェクトをさらに進化させ、市町村へ拡大するなどDXの推進を図りながら東北全体で推進する方針であります。
このため、ICTを積極的に活用することで建設現場の生産性向上を目指すため、東北各県において、東北地方整備局i一Constructionの取り組み等についての講習会の実施と併せ、東北各県ICT施工に関する実務者意見交換会の実施や、ICTに係る人材育成や普及に係る課題抽出、先進事例の情報共有を行うことと、東北土木技術人材育成協議会や東北DX・i一Construction等を積極的に活用していくこととします。
建設副産物の適正処理の推進については、建設発生土の適正処理及び有効利用に関する規制の動向を注視し、東北地方整備局や当連合会をはじめとする業界団体で構成する東北地方建設副産物対策連絡協議会において環境関連の法令等の情報収集に努めることとします。
一方、来年4月から導入される働き方改革関連法による建設業への時間外労働の罰則付き上限規制、いわゆる2024年問題といわれる働き方改革が喫緊の課題となっており、若年労働力の確保、労働者の雇用安定等の問題解決に向けて、長時間労働の抑制や週休2日制の導入、建設業で働く人の収入増を図ることが大切であり、今後も設計労務単価・調査基準価格の見直し等さらなる引上げ等について連合会と連携して要望していくこととします。特に、地域建設業の安定的経営を図るためには、週休2日制工事に係る現場経費が重要な課題である。週休2日の実施に伴い工期が長くなり、現場管理費や一般管理費が増加するため、積算基準の改正により割増等を講じているものの現状との乖離が生じており、経費の積算改善と適切な工期設定を強く要望することとします。
また、昨年度より始まった国直轄工事で賃上げ実施企業への総合評価落札方式の加点措置に係る諸問題については、中小企業の特異性に鑑みその運用方法について品確議連に問題提起し、その制度運用及び会員の取り組み実態等について課題を把握し経営実態に即した柔軟な運用について提言・要望を行うことと致します。
また、賃上げの阻害要因となりかねないダンピング防止に向け、市町村等への最低制限価格等の適切な設定の徹底を図るとともに、同価格等における上限枠及び現場管理費等の算入率の引き上げについても提言を行うことと
致します。
適正な入札・契約制度への対応については、「技術と経営に優れた企業」の持続的発展と適正な利潤を確保し健全な企業経営が維持できる入札契約制度を構築するため、東北地方整備局並びに「公共工事品質確保に関する議員連盟」等関係機関と積極的な意見交換等を進めて参ります。
当協議会は、国民の安全・安心を確保する強靭な国土を実現するため、全力を挙げて円滑な公共事業の施工確保に努めて参ります。そして、建設工事従事者の処遇改善を図るため、自ら適切な賃金水準の確保に努め、社会保険等への加入促進を図ってまいります。と同時に適切な価格での受注活動を促進して参ります。地域建設業が地域社会から信頼される産業を目指しコンプライアンスの徹底を図るとともに、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが国際的に求められている中で、地域建設業のSDGsの課題等に情報収集いたします。
更に、当協議会は、東北地方整備局との東北地方整備局所管施設の災害応急対策業務に関する協定に基づき、東日本大震災の迅速な活動はもとより、平時よりパトロールを行うなど「国民の生命と財産を守る」という使命感を持って活動している「技術と経営に優れた企業」の技術集団であり、工事の品質確保はもとより優れた技術力・経営力をもって地域貢献度や社会信頼性を適切に評価されるよう一層の努力をして参ります。
また、工事施工にあたっては災害発生を未然に防止する安全な工事推進を図るため東北地方整備局の定める「工事事故防止重点対策」を遵守し、現場管理者、技能者、建設従事者等を対象とした安全教育を推進し、公共工事施工の安全・安心が地域住民のご理解を得られるよう工事安全施工に積極的に推進して参ります。
当協議会は、地域住民の安全・安心の確保と技術と経営に優れた建設企業の持続的発展のため、公共工事の品質確保と施工に伴う災害発生を未然に防止する安全な工事施工を図る事を目的に東北6県協議会が一体となって本年度において、次の事業を重点に置き積極的に取組んで参ります。
1.諸事業を推進するため次の会議を開催する。
- 1) 会長会議
定例会議
其の他適宜開催し、臨機応変な活動を展開する。
- 2) 事務局長会議
各県協議会に共通する諸問題につき随時開催する。
2.主たる事業内容
Ⅴ.地域の安全・安心の確保と公共工事の品質確保の諸施策
- 1)技術と経営に優れた会員企業への受注機会の確保
- 2)公共工事施工の平準化の推進
- 3)公共工事の適正積算及び適正工期の確保
- 4) 建設資材の高騰に対するスライド条項対応の周知等について
- 5)会員企業の技術力向上のための技術講習会、コスト縮減等の研鑽
- 6)建設災害防止対策の推進と災害時における災害緊急対策
- 7)発注官庁との工事施工に関する意見交換会の開催
- 8)公共工事品質確保に関する議員連盟との意見交換会懇談会の開催
- 9)其の他
Ⅵ.東北地方整備局並びに出先事務所への要望と意見の積極的反映
- ① 東北地方公共事業推進についての諸行事への積極的参加
- ② 東北地方工事安全施工推進大会を始め諸行事への積極的参加
- ③ 東北地方整備局よりの講師派遣による諸講習会、説明会の開催
- ④ 其の他諸情報関係資料の収集・配付